英語の母音の発音 日本人が苦手な3つの「ア」と、同じに聞こえる母音のペア
日本語の母音は「アイウエオ」の5つですが、英語には10以上あります。そのため、英語のいくつかの母音が日本語の同じ音にまとまり、同じに聞こえてしまいます。いちばん大きいのが「ア」です。hat の æ、hut の ʌ、hot の ɑ は英語では3つの別の母音ですが、日本人の耳にはどれも「ア」に聞こえます。
まずは3つを聞きくらべて、そのあとペアごとに練習しましょう。
3つの「ア」を聞きくらべる
| æ明るい | ʌ短い | ɑ深い |
|---|---|---|
単語をタップすると再生します。アプリと同じ、アメリカ英語の声です。
日本語の「ア」1つに、英語の母音が3つ
- æhat
- あごを下げ、舌を前に出し、唇を少し横に引いて出す音です。bet の「エ」が少しまざった、明るい「ア」です。
- ʌhut
- 口を半分ほど開け、力を抜き、舌を口のまん中に置いて出す音です。驚いたときに出る、短い「アッ」に近い音です。
- ɑhot
- あごを大きく下げ、舌を奥に引き、唇を丸めずに出す音です。病院で言う「アー」のような、深く開いた音です。イギリス英語では、かわりに唇を少し丸めた短い ɒ を使います。
日本人の耳には、この3つの区別がむずかしい音です。NishiとKewley-Portの研究(2007年)では、練習前の日本人の英語学習者が正しく聞き取れた割合は、hat の æ が70%、hut の ʌ が44%、hot の ɑ が34%でした。いちばん取りちがえが多かったのは ʌ と ɑ で、どちらも27%の確率で、もう一方とまちがえられていました。
3つのペアは、聞くポイントがそれぞれ違う
どの2つを聞き分けるかで、手がかりが変わります。そのため、ペアごとにページと単語リスト、クイズを用意しています。
1つずつではなく、3つまとめて練習する
同じ研究で、英語の9つの母音すべてで練習した学習者は、聞き取りの正答率が平均で25%上がりました。練習していない単語や初めて聞く声でも伸び、3か月後も続いていました。いちばんむずかしい3つの母音だけで練習した学習者は、その3つは伸びましたが、練習しなかった6つの母音では伸びませんでした。
1つのペアを終えてから次へ進むのではなく、3つのペアを順番に回しましょう。どのペアのページにも、アプリと同じ音声のクイズがあります。
ほかにも、日本語の同じ音にまとまる母音
同じことは、ほかの母音でも起きています。英語の2つの母音が日本語のどの音にまとまってしまうのか、ペアごとにまとめました。
英語には、日本語にない母音があります。heard や work、bird の er(ɜː)です。カタカナではこれを「アー」と書くので、hurt も heart も「ハート」になります。walk の ɔː との違いは唇で、ɜː は丸めず、ɔː は丸めます。
bowl の oʊ は「オ」から「ウ」へすべるように動き、ball の ɔː は動きません。カタカナではどちらも「オー」と書き、coat も caught も「コート」です。
日本語には短い「イ」と長い「イー」があるので、長さで聞き分けようとしがちです。でも sit の ɪ は、力の抜けた、少し「エ」に近い音です。seat は「シート」、sit は「シット」と書きます。
pool の uː は長く、唇をしっかり丸めます。pull の ʊ は短く力の抜けた音で、唇はあまり丸めません。カタカナでは pool が「プール」、pull が「プル」なので、長さだけで聞き分けようとしがちです。
bait の eɪ は「エ」から「イ」へ動き、bet の e は動きません。カタカナでは eɪ を長い「エー」と書くことが多く、game が「ゲーム」になるように、動きが消えてしまいます。
今日から、聞き分けの練習を。
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