アプリと同じ音声です。音を出してお試しください。
oʊ(bowl)は最後に「ウ」へすべる、ɔː(ball)は動かない「オー」。
練習で聞き分けられるようになります
音の聞き分けは才能ではなく、身につくスキルです。AlshangitiとEvansの研究(2024年)では、アラビア語を母語とする英語学習者が、bowl と ball の母音を含む英語の14の母音を、5人の声で聞き分ける練習をしました。1〜2週間で5回練習したあと、聞き取りで練習した学習者は、英語の母音を練習前より正確に聞き取れるようになりました。
研究: Strange et al. 1996 · Lambacher et al. 2002 · Alshangiti & Evans 2024
やさしい
6ペア短くよく使う単語。子音は語頭の音。
- bowl · ball
- boat · bought
- coat · caught
- low · law
- so · saw
- hole · hall
ふつう
4ペア子音の連続・語末・やや難しい単語。
- cold · called
- woke · walk
- close · clauseメモ: close = verb /kloʊz/
- coast · costメモ: UK cost = /kɒst/, a short vowel
bowl と ball の違いと聞き分け方
bowl と ball を聞き分けるポイントは、母音が動くかどうかです。bowl の oʊ は「オ」から「ウ」へすべるように動きます。ball の ɔː は動かない「オー」で、アメリカ英語では口を開いた「アー」に近くなることもあります。どの声でもこの違いに気づけるよう、耳を慣らしていきましょう。
oʊ と ɔː の発音の違い
oʊ は、2つの音が1つにつながった二重母音です。唇を丸め、舌を奥に引いた、日本語の「オ」に近い音から始まり、最後に唇をすぼめて、book の「ウ」のほうへ動きます。この動きが、bowl や so、coat の音です。
ɔː は、あごを下げ、唇を丸めて出す音で、最後まで口の形が変わりません。イギリス英語では長く、唇をしっかり丸めた、日本語の「オー」に近い音です。アメリカ英語では唇をあまり丸めず、ball や caught、law を father の「アー」に近い音で言う人も多くいます。どちらの場合も、音は動きません。
なぜ日本人には bowl と ball が同じに聞こえるのか
カタカナでは、どちらの母音も「オー」と書きます。coat と caught はどちらも「コート」、hole と hall は「ホール」、low と law は「ロー」、boat と bought は「ボート」です。bowl は「ボウル」と書き分けますが、日本語では「オウ」をふつう長い「オー」として発音するので、「ボール」と同じ音になります。bowling の「ボウリング」と、穴を掘る boring の「ボーリング」も、書き分けるのに発音は同じです。
日本語では「オウ」が動かない「オー」になるため、耳には、母音の終わりで音が動くかどうかを聞く習慣がありません。このペアの違いはその動きだけなので、「オー」として聞くと、2つが同じ単語に聞こえてしまいます。Strangeらの研究(1996年)でも、日本人の聞き手は、単語で聞いたアメリカ英語の oʊ を、「オウ」(27%)より短い「オ」(54%)に近いと答えることのほうが多くありました。
聞き分けるコツは、最後に音が動くかを聞くこと
母音の終わりに注目します。so や low、woke では、最後に唇がすぼまって「ウ」に近づき、小さな w が続くように聞こえます。saw や law、walk は、始まりと同じ音のまま終わります。
アメリカ英語の声では、ball や caught、law が father の「アー」に近い音になることがよくあります。この場合は始まりから違い、丸くて動く「オウ」と、口を開いた動かない「アー」の対比になります。
bowl、hole、cold のように L が続く単語では、「ウ」へのすべりが L に飲み込まれて聞き取りにくくなります。そのときは母音の始まりを聞きましょう。oʊ は日本語の「オ」に近い、高めで丸い音から、ɔː はもっと低く、口の開いた音から始まります。bowl と ball、hole と hall がいちばん難しいペアなのはこのためです。
イギリス英語の oʊ は、口のまん中のあいまいな「ア」に近い音から始まり、「ウ」へ動きます。ɔː は長く、丸く、動きません。また cost は、イギリス英語では hot と同じ短い母音で発音されるので、coast と cost は動きだけでなく長さも違います。
聞き間違えると、意味も時制も変わる
oʊ と ɔː を取りちがえると、別の単語になります。bowl は「おわん」、ball は「ボール」。coast は「海岸」、cost は「費用」。low は「低い」、law は「法律」。hole は「穴」、hall は「ホール、廊下」です。
過去形に ɔː を使う動詞もたくさんあります。bought は buy、caught は catch、saw は see、called は call の過去形です。It's cold(寒い)と It's called …(〜という名前だ)、I woke up(目が覚めた)と I walked up(歩いて上った)は、まったく別の意味です。so と saw は英語で特によく使う単語なので、このペアはほとんど毎日の会話に出てきます。
聞き分けられるようになる練習のしかた
たくさんの声で聞きましょう。この2つの母音は、アメリカ英語とイギリス英語で響きが違い、アメリカ英語の中でも人によって変わります。いろいろな声で聞くほど、どの声にも共通する違い、つまり「oʊ は動き、ɔː は動かない」ことがつかめます。
答え合わせはその場でして、1回は短く、こまめに続けます。so と saw、low と law のように母音で終わる単語から始めると、すべりが聞き取りやすくなります。次に boat と bought、coat と caught、最後に hole と hall、cold と called、bowl と ball のような L の前のペアへ進みましょう。
ball の ɔː は walk の母音と同じで、work の ɜː ともまちがえやすい音です。TellApart には work · walk のコレクションと、片方の母音だけが動く bait · bet のコレクションもあります。
聞き分けの練習は、発音にも役立つ
聞き取りの練習は、発音にも役立つことがあります。Lambacherらの研究(2002年)では、日本人の学習者が6週間、ball の ɔː を含む英語の5つの母音を聞き分ける練習だけをしました。練習のあと、アメリカ英語の話者は、ɔː を含む4つの母音で、練習後の発音のほうが良いと判断しました。
伸び方には個人差があるので、短い練習を自分のペースで続けましょう。
アプリでの使われ方
1回の練習では、いまのレベルから20問が、毎回ちがう声で流れます。20問中17問以上で次のレベルへ進めます。
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