アプリと同じ音声です。音を出してお試しください。
iː(seat)は長く張った「イー」、ɪ(sit)は短くゆるい、少し「エ」寄りの音。
練習で聞き分けられるようになります
音の聞き分けは才能ではなく、身につくスキルです。Grenonらの研究(2019年)では、日本人の大人の英語学習者23人が、beat と bit の母音を聞き分ける練習をしました。練習に使った音声だけでなく、初めて聞く録音や話者の声でも聞き分けが伸び、そのうち11人は、長さではなく音の響きで2つを区別できるようになりました。
やさしい
9ペア短くよく使う単語。子音は語頭の音。
- seat · sit
- sheep · ship
- leave · liveメモ: live = verb /lɪv/
- feel · fill
- heat · hit
- beat · bit
- eat · it
- feet · fit
- deep · dip
ふつう
6ペア子音の連続・語末・やや難しい単語。
- green · grin
- sleep · slip
- reach · rich
- cheek · chick
- peach · pitch
- wheel · will
むずかしい
3ペア語中の音・長めの単語。
- beaten · bitten
- feeling · filling
- leaving · living
seat と sit の違いと聞き分け方
seat と sit を聞き分けるポイントは、長さよりも音の響きです。seat の iː は、唇を横に引いた、張りのある「イー」。sit の ɪ は短く力の抜けた音で、少し「エ」に近く聞こえます。どの声でもこの違いに気づけるよう、耳を慣らしていきましょう。
iː と ɪ の発音の違い
iː は、舌を高く前に押し上げ、唇を横に引いて出す音です。口のまわりに力が入り、ふつうは長く発音されます。
ɪ は、舌を少し下げて奥に引き、力を抜いて短く出す音です。響きは seat の「イ」と bet の「エ」の中間くらいです。iː を短くした音ではなく、別の音だと考えましょう。
なぜ日本人には seat と sit が聞き分けにくいのか
日本語の「イ」は1つの音で、違うのは長さだけです。カタカナも長さで書き分けます。seat は「シート」、sit は「シット」、sheep は「シープ」、ship は「シップ」、heat は「ヒート」、hit は「ヒット」です。そのため日本人の学習者は長さを手がかりに聞き、ɪ を短い「イ」として発音しがちです。
長さも手がかりにはなりますが、頼りきるのは危険です。英語の母音は t、p、k などの前で短くなるので、beat の iː が bid の ɪ と同じくらい短くなることがあります。速い会話では、iː はさらに短くなります。長さだけを聞いていると、変わらない手がかりである音の響きを聞き逃してしまいます。
聞き分けるコツは、音の響きを聞くこと
まずは響きに注目します。iː は明るく張りのある音、ɪ はややこもった、ゆるい音で、少し「エ」寄りに聞こえます。このペアでは、「エ」っぽさが聞こえたら ɪ です。NishiとKewley-Portの研究(2007年)でも、練習前の日本人の学習者は、ɪ を正しく ɪ と答える(41%)より、bet の「エ」と答える(51%)ことのほうが多くありました。
長さは、同じペアの中でだけ比べます。seat と sit、heat と hit、feet と fit のように、うしろの音が同じなら iː のほうが長くなります。ただし、別の単語どうしで比べてはいけません。seat の iː は、seed の iː より短いからです。
feel と fill、wheel と will のように L が続く単語では、iː のあとに小さな「ア」のような音が入り、feel は「フィーアル」のように聞こえることがあります。fill の ɪ は、そのまま L につながります。
feeling と filling、leaving と living のような長い単語では、違うのは最初の母音だけです。-ing の部分はどちらも同じ ɪ なので、最初の母音に集中しましょう。
聞き間違えると、意味が変わる
iː と ɪ を取りちがえると、別の単語になります。sheep は「羊」、ship は「船」。leave は「去る」、live は「住む、生きる」。feel は「感じる」、fill は「満たす」。heat は「熱」、hit は「打つ、ヒット」。reach は「届く」、rich は「お金持ちの」です。
I'm leaving(もう出るね)と I'm living …(〜に住んでいる)では、話がまったく変わります。eat と it はどちらも英語で特によく使う単語で、Did you eat it?(それ、食べた?)のように1つの文に並ぶこともあります。
聞き分けられるようになる練習のしかた
たくさんの声で聞きましょう。iː と ɪ の響きは話す人によって少しずつちがうので、いろいろな声で聞くほど、どの声にも共通する違いがつかめます。
答え合わせはその場でして、1回は短く、こまめに続けます。seat と sit、heat と hit のように最後の音が同じ短い単語から始め、sleep と slip、green と grin のように子音の連続のある単語へ、最後に feeling と filling のような長い単語へと進みましょう。
張った音とゆるんだ音の違いは、pool と pull の「ウ」の聞き分けにも共通しています。TellApart には pool · pull のコレクションもあります。
長さではなく、響きで聞けるようになる
Grenonらの研究では、日本人の学習者は練習前、beat と bit を長さで聞き分けていました。練習のあと、23人のうち11人は、英語の話者と同じように音の響きで聞き分けるようになりましたが、12人は長さに頼ったままでした。
練習のときは、長さではなく響きを意識して聞きましょう。伸び方には個人差があるので、短い練習を自分のペースで続けましょう。
アプリでの使われ方
1回の練習では、いまのレベルから20問が、毎回ちがう声で流れます。20問中17問以上で次のレベルへ進めます。
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